OHARA DENTAL CLINIC
— 吹抜けを通して自然光が降り注ぎ、明るく開放感のある歯科医院 —
密集度の高い市街の北側道路に面した立地の歯科医院です。敷地環境の条件と直射光を避けなければならないという制約の中で、患者さん達の治療の時間を少しでも快適にするために、清潔で明るく開放的な医院にすることを目指しました。
[もっと光を:吹抜けが隅々まで光をもたらします]
上部にハイサイドライトを設けた吹抜け空間の診察室を建物の中心に配置し、その壁をガラス(型ガラス)で構成しました。ハイサイドライトから取り込んだ午前中の柔らかい自然光がガラスの壁に反射しながらふんだんに降り注ぎます。また、外壁部に開口部を設けることが困難なその他の各部屋はこの診察室に面しており、ガラスを通してこの自然光を取り入れています。
[ぼんやりとした透明感が広がりと安心感を生みます]
ガラスは半透明の型ガラスで、吹抜けとさらにその反対側の部屋の雰囲気をぼんやりと感じさせ、明るく建物全体に広がりと連続性が生まれ、ギリギリの寸法設計にも関わらず、外観からは想像もできないおおらかで伸びやかな内部空間となっています。
また、このガラス壁が各室のプライバシーを確保しつつもぼんやりと気配を伝えることとなり、適度な透明性が確保されていて患者さんの閉塞感や秘匿感を軽減させ、かつスタッフが建物全体の雰囲気の把握ができるという効果があります。吹抜内の診察ブースの間仕切りも、壁同様にぼんやりと隣りの様子を伝える半透明のアクリル素材として、院長をはじめスタッフの気配りがどこまでもとどくようにと考えました。
[控えめにちょっとだけ目立ちたい]
外観は白を基調として、周辺の街並に配慮しシンプルでありながら、院長が大切にしている清潔感と意欲に溢れた若々しさを表現しました。「リンゴ」と漢字の「歯」と歯の形を模したグリーンのサインをワンポイントに、控えめでありながらちょとだけ主張して、院長のこの場所で生涯地域に貢献したいという思いを込めました。
[みんなの意気込みと連帯感のある現場]
患者さんのプライバシーを重視した個室感覚の診察室を中心に運用のしやすさを追求したゾーン構成は、院長との度重なる濃密なやり取りの末に辿り着いた会心のプランです。また、現場では技術力と旺盛な意欲を持ち合わせた建設会社の登場を得て、建物の完成度を高めることができました。
特に診察室の壁面を構成する本邦初のガラスの支持方法については、コスト、安全性、施工性を満足するために数えきれないFAXと電話の応酬に応えてくれた現場監督と施工に当たった職人さん達の意識の高い努力の結晶で、診察室の空間をキリリと締めて思わず笑みがこぼれる出来となりました。
西村 :「始めてこの空間に入った時どうでした?」
大原さん:「荒木さんが「明るいのー!」って言ってる横で腰が抜けそうでした。」
広島は他の地方都市には見られない国際色と美味しいものに溢れていて、月数回の現場通いも遠方にも関わらず楽しみでもありました。そうそう、行く度に通いつめた流川のバーも思い出深いです。
おおはら歯科クリニック
所在地 :広島県広島市佐伯区(最寄駅:広電楽々園駅)
施設用途:診療所(歯科)
延床面積:148m2
構造規模:鉄骨造、地上2階
設計協力:小坂玄次郎
構造設計:山田憲明
設備協力:鈴木智仁(電気)、前田康太(機械)
監理協力:森建築設計事務所(森清次)
サイン :金子由紀江
» HP
建設会社:広成建設(荒木大輔、宍井豊和)
竣工写真:ウエドイカメラ(尾藤公生)
※写真説明文末に(U)のあるもの