心と体を癒す現代の湯治場
栃木県那須にある一軒温泉宿の芦野温泉。多くのお客さんに応えるために温泉浴場を新たにしました。
単に温泉の効能に期待するだけでなく、空間や光、自然などの力を総動員して、体も心も癒すことのできる浴場を目指しました。
- 芦野温泉が目指すお客さん相互と従業員の関係性に適した空間配置
- 湯治にふさわしく胎内のような落ち着いた雰囲気
- 男女の声が互いに聞こえ、安心感と賑わいのある一体感
- 湯気がこもり、掛け流しのお湯があふれるしっとりとした感触
- 骨太な安定感のある建物の風格
- 黒を基調として引き締まった凛とした佇まい
- 既存棟と調和した景観の形成
- 掛け流し温泉の排湯の廃熱を床暖房等に利用する省エネ
- 地下ピットを利用した外気加温給気により冬期の冷気を防ぐ
- 毎日の浴室浴槽洗浄に対応した浴槽張り込み時間の管理
- 外気変化に対応した掛け流し湯量を設定し浴槽温度を一定に保つ
- 既存1号泉と新たに掘った2号泉をふくめた熱交換による給湯省エネ
- 高齢者にも使いやすい各部分の寸法や高さ、素材の選定
- 雰囲気のある陰影をつくりつつ、高齢者に配慮した照明
各地の湯治宿だけでなく伊勢神宮や京都の歴史的な建物の様々なエッセンスを吸収して空間を構成しました。
大きな一体空間のなか、男女の声が響き、お互いの気配を感じ、また自分のからだと心に向き合うことのできる、おおらかでどこか懐かしい空間に仕上がりました。
芦野温泉新浴棟
所在地:栃木県那須郡那須町芦野1461
用 途:ホテル又は旅館
床面積:930m2(280坪)
構 造:RC造一部木造、地上2階
期 間:設計/2008.01-09.03(15ヶ月)、工事/09.04-12(9ヶ月)
コスト:非公開
<協 力>
構 造:増田建築構造事務所/山田憲明、岸上大介
設 備:YMO/山田浩幸、小山隆
建 設:マルホ建設/吉成昌己、奥泉英雄
電 気:蛭田電機/蛭田允春、藤田浩之
設 備:エルコア/津久井治一
サイン:ICHIZEN/金子由紀江
のれん:エニシング/西村和弘、潮田博昭
写 真:中川達彦
芦野温泉のホームページはこちら
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