Geo+ デザイン 実績写真集 実績一覧 設計研究 コラム お問合せ・アクセス

住いの計画 お店・事業の計画

名の無い空間、名の無い時間を設計する

空間を考えるとき、ついついリビングや寝室などといった部屋名から考えてしまう。
しかしながら、その空間がその行為を行うためだけに存在することはまれである。
例えば、ダイニングは食事をするためだけに存在するのではない。
こどもが宿題をしたり、親に相談をしたり、家人の帰りを待ったり、家計簿をつけたり、
ぼーっとお茶を飲んだり、この記述も定型にすぎない程にいろんなことが行われる場所である。

空間の多くは呼び名の無い行為を延々と行うためにある。

入浴という呼び名があるために、
入浴という行為が体を洗い、疲れを癒すという単純な行為に集約され、
そのために用を足せるだけの機能性を確保することに終始していないだろうか。

設計とは名付けようの無い行為や時間一つ一つにスポットを当て、
そためのちょっとした工夫を凝らすことではないだろうか。

名付けようの無い行為をどこまで丁寧に想像し、
それに対してどこまで思いやりを形に昇華することができるのか。
それこそがアッキレ・カスティリオーニがデザインの基本として詠った、
誰も知らない見ず知らずのほんの小さな人々とのある交換をするということではないだろうか。

さらに、それを一歩進めて、茶の湯の空間のように
日常を美の領域へと高めることができないだろうか。
人の些細な行為、日常の何気ない振る舞いを様式にまで高めること。
それこそが我々の目指す設計である。